主人公・桃地は、海上保安官の中でも縁の下の力持ち部門「主計」の専門官。しかし「肝臓がんで余命一年」の学生時代のマドンナ・高浜彩子に寄り添うことを決意し、京都府舞鶴市の海上保安学校の教官として赴任することにした。彩子が海上保安官を目指して入学する息子のそばで過ごすためだ。
桃地は、船舶運航システム課程主計コース3組の担任となったが、腐れ縁の校長・比内から、ある事情がクラスに重い影を落としていることを聞かされ……。命と向き合う機会の多い、海上保安官という仕事。明るく人間味あふれる桃地の、学生たち、そして愛する人とのかかわりの日を描いた教場物語。